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シクラメンの贈りもの

毎年12月になると、美しいシクラメンがオフィスを華やかにしてくれます。ずっと前にお子さんたちをツアーや長期留学に送ってくださったお母さまが、毎年贈ってくださるのです。こんなにしていただいて申し訳ないと思いつつ、シクラメンの花と共に届けらるお気持ちに感謝しています。

息子さんが夏のツアーに参加してくれたのは、高校生のときでした。サッカー好きで、爽やかな好青年。
そんな彼が大学に入った頃だったでしょうか、雰囲気がだいぶ変わったなと感じた時期がありました。服装も以前とはがらりと変わり、クラブに出入りして、イベントのチケットを売ったり……。

ご両親も心配されているだろうな、と思っていたある日、お母さまとお会いする機会がありました。
「心配ですね……」
とつい言ってしまうと、明るい顔で
「はしかみたいなものだと思います」
と、やさしく笑っておられました。

誰よりも息子を理解しているお母さまが、こんな時期も必要、必ず後でよい実が結ばれる、そう信じ切っていることがよくわかりました。すごいな、と感銘を受けつつ、息子さんは大丈夫だと確信しました。

ほどなくして、自分らしい道が他にあることに気づいた彼は、さまざまな資格試験の勉強をはじめました。今は弁護士となり、奥さんを連れてクリスマス会に顔を出してくれたり、パパになったと喜びを報告してくれたりします。

シクラメンの柔らかい花びらを見つめながら、一時的なことに心騒がせることなく、信じ、忍耐して待ち望むことの大切さを覚えています。

(霜)