アメリカの生活

緊急時の対応

スタッフブログ by Tomoko Shimo

帰国者、入国者に対する出発前72時間以内の陰性証明書提出が不必要となる、と先日政府の発表がありました。
この夏の短期留学生のためには、日本から現地医療機関に検査の予約をし、その結果を不安な思いで待つというプロセスがあり、また海外旅行者の中には帰国便の変更を余儀なくされた方も少なくなかったことを思うと、この水際対策の緩和を待ち望んでいた人たちは多かったことと思います。

自分がグループを引率する時も、個人留学生を送り出す際にも、乗り継ぎが一番不安です。
この夏、一人アメリカに旅立った学生にも、入国審査後に国内線ターミナルへ進み、ゲートを見つけるという流れを何度も説明しました。
しかし、思いがけないトラブルが発生するのが海外旅行です。現地提携団体から夜中に連絡が入り、彼女が搭乗予定だった国内線が突如キャンセルになり、その日はもう他に便がないというのです。
カウンターで英語で交渉し、航空会社が用意するホテルに宿泊し、次の日の便に振り替える手続きをする…… 慣れている大人でさえ大変な作業を、10代の学生にさせることはあまりにも酷です。
慌てふためいていると直後に再度連絡が入り、「ホストファミリーが、これから車を走らせ到着空港まで迎えに行くことにしたから」と伝えられました。

ホストファミリー宅から空港までは急いでも4時間、夕方の渋滞を考えると5~6時間はかかる距離です。
けれど、状況を知った現地団体のスタッフもホストファミリーも、それ以外の選択肢は考えられないと瞬時に決断をし、実行してくれたのです。
これは決して当たり前の対応ではありません。
空港で一泊、またはホテルに一泊して翌日来なさいと言うのが、もしかしたら一般的かもしれません。

以前にも、天候不順で乗り継ぎ便が遅延となり、結局夜中1時すぎに目的地の空港に到着したホームステイツアーのグループを、嫌な顔ひとつせずに、スナックやフルーツを用意してスタッフが迎えに来てくれたことがありました。
緊急時の対応で、相手のことがよくわかります。
心から信頼できる団体、ホストファミリーとだからこそ長年大切な学生たちをお預かりして、プログラムを提供してこれたのだと思っています。

コロナ禍での中断がありましたが、来年の夏こそはまたホームステイツアーを実施できるようにと期待しています。