昨年末、羽田空港を利用した時のことです。
帰省する人たちでごった返していた空港内に、甲高い、怯えたような犬の鳴き声が響き渡っていました。
故郷に一緒に連れて帰ろうと、ご家族がペットを預けようとしていたのですが、その犬は小さな体でケージに何度もぶつかって抵抗し、大暴れしていたのです。
驚くほどの力で体当りするので、衝撃でケージが上下左右に激しく揺れるほどでした。
「大丈夫だよ。すぐにまた会えるからね。」
と、小さな子供が涙声でなだめている姿に、こちらの目も潤んでしまいました。
私たちには、ほんの数時間だけ静かにしていたら目的地に到着して、また大好きな家族と一緒に過ごせるとわかっていても、このワンちゃんにとっては、狭いところに閉じ込められて、何が起こるのかもわからず、どれほどの恐怖の中にいるのだろうと想像しました。
体が傷つくほどに、ケージに衝突している姿は、痛々しくもありました。
先のことは何もわからない…という意味では、私たちの未来も同じですね。
私たちの計画が、突然思いがけないことでまったく変わってしまうことを、私たちはこのパンデミックを通して教えられてきました。
ただ、その未来にどのように向き合うかは、私たちの心が決めることができます。
聖書には、
きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。信仰の薄い人たち。
マタイによる福音書 6:28-30
とあります。
自分の頭であれこれ考え恐怖に陥り、自分を苦しめるのを止めて、大いなる方の手に委ね、希望と共に未来に足を踏み出していきましょう。
今年も素晴らしい年になりますように!
(霜)